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クレジットとローンの違い

クレジット(消費者信用)は消費者に与信する行為といいましたが、与信の対象物が広義の商品である場合と、金銭である場合で用語の使い方が異なります。商品を対象とした場合のクレジットをクレジットといい、金銭を対象としたクレジットをローンということもあります。また金銭を対象としたクレジットをキャッシングということもあります。いずれも一般用語化していますが、キャッシングは英和辞典には載っていない和製英語で商品名です。以下、クレジットとローンについては、物販と融資という区分けで書き進めることにします。商品に対する与信とはいっても返済はお金でするわけですから、先ほども書きましたがクレジットとローンは何も違いません。

例えば一〇〇万円の自動車をクレジットにした場合でも、一〇〇万円のお金の融資を受けた場合でも、返済するのは利率の違いはありますが、一〇〇万円のお金です。自動車のクレジットとはいっても自動車を一〇〇万円分返すわけではありません。まず与信側から見てみましょう。与信の基準になるのは、与信したお金が返ってくるかどうかです。自動車の場合は、もし返済されないとしても自動車を担保にしていますから、その分は不払い額からマイナスすることができます。自動車は登記制度のある特殊な商品ですが、それ以外の商品でもそれなりの価値は残ります。

法律上適用になるのは、自社割賦といわれる二者間のクレジット契約(第2条第1項第1号に規定する割賦販売)ですが、三者間契約のクレジット契約書にもたいてい取り入れられています。物販のクレジットに対して、お金を融資した場合に担保になるものは何もありません。消費者金融会社の広告に「無担保・無保証」という言葉を見かけることがありますが、消費者金融はまさにここが特徴になつています。ただし、奨学生のような特殊なローンは制度として、連帯保証人を取るようになってます。次に借りる側から見た場合の違いを見てみましょう。負債として背負う負担はまったく同じですが、用途の問題だけです。

お金の場合の用途は借りるときに決まっているものもありますが、使途自由のものもあります。無担保・無保証の消費者金融の場合は、どちらかというと使途自由が多くなっています。このお金がここで例に挙げた自動車の購入に振り向けられているのであれば、負債に関する目的はまったく同一ですが、ここに困った問題があります。お金はどんなものにも使えるのです。平成不況が続く中、消費者の多重債務が社会問題になりましたが、この原因は借りたお金が借金の返済に回るいわゆる自転車操業に起因します。つまりお金の使いみちに借金の返済というジャンルがあって、それを繰り返すから多重債務に陥ってしまうわけです。同じ一〇〇万円でもモノとお金ではこれほど性質が違うのです。