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消費者に対する与信サービス

さて、クレジットは日本語では消費者信用と訳されます。英語ではコンシューマー・クレジットといいます。提供者については特にこだわりません。銀行であろうと、ノンバンクのクレジット会社であろうと、消費者が決済もしくは支出の平準化機能を受けるのであればクレジットといいます。お金を借りるキャッシングも同様にクレジットです。与信の対象物は確かに違いますが、家計における負債という意味では同じですから、あえて区別しないで話を進めることにします。このようなサービスを消費者が受けるためには一定の条件が必要です。一時的に、もしくは長期間にわたって本来その消費者が支払うべきお金を、このサービスを提供する会社が代わって相手先に支払うからです。

つまりクレジットを提供する会社は、消費者に信用を供与(与信)した証しとして、その消費者に代わってお金を相手先に払っているのです。もしくは貸し付けているのです。もちろんこの項の見出しになっているサービスというのは、それを無料で提供しているという意味ではありません。提供する役務の対価として金利をもらうことになります。この消費者の代わりに払ったお金が金利付きで戻ってこなければ、クレジット会社は破産します。そこでこの与信サービスは誰もが受けることができるものではなく、一定の限られた人だけが受けられるサービスとなっています。

つまりどういったサービスかというと、返済可能見込みの高い人だけが受けられるサービスということです。「借りたものは返す」というのは道徳の一種ですが、必ずしも道徳心では返したいと思っていても、できない事態に陥ることがあります。中には最初から「借りたものは自分のもの」という人もいます。こういった人は犯罪者ですが、社会の中にごく少数ですが存在します。そこでこの与信サービスは、与信対象とした中のある一定数は返済不能に陥るという前提で組み立てます。こういうと人間不信を前提としたビジネスというように思われるかもしれませんが違います。

どれほど慎重で計画的な人であっても、何が起こるかわからないのが人生というものだからです。すべての人がすべて計画的かつ計画どおりに進められるのであれば、クレジットを利用したいという人すべてに与信することが可能です。ところがそうはならないので、一定数の不払いを計算した上でビジネスとして成り立つように組み立てるのです。これを保険の考え方と同じですが大数の法則といいます。このような一定の不払いを見込んで、どのくらいの金利にするかがこのビジネスのポイントになります。

一方、与信の対象が事業者になる場合はクレジットとはいいません。一般的には事業者に融資するのは銀行ですが、一部のノンバンクは事業者を相手に与信業務を行っています。貸金業法は、ノンバンクが行う融資を規制する法律なので、このような事業者向け金融会社も対象になります。逆に銀行は銀行法の規制下にあるので、この法律の規制対象にはなっていません。割賦販売法は、消費者を相手方にした与信の仕方を基準に法の適用があるので、提供者がバンクであるかノンバンクであるかは問わない仕組みになつています。