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決済はクレジットカードの領域だが

クレジットカードの決済機能は、銀行の持つ決済機能とは違いますが、カード会社が存在することの意義になっていますし、消費者にも重要なものです。ところが、クレジットカードの加盟店であればどこでもそのカードの信用が確認され、好きな買い物ができるという決済機能に変化の兆しが出てきています。世界中で展開しているビザやマスターは、それ自体がクレジットカードのブランドのようになっていますが、これはあまり正確ではありません。前世紀ぐらいまではそれで正しかったのですが、デビットカードの決済システムが導入されてからは、ビザやマスターは決済機構のブランド名になっているのです。

クレジットカードは、一定の信用力のある個人に対して発行され、その個人は世界中のビザやマスターの加盟店で買い物をすることができます。この機能のことをクレジットカードのID機能ということもありますが、それはこういうことです。クレジットカードを持っていることによって、その人は一定の信用力のある人であることが証明される。加盟店はカード会社との契約によって、クレジットカードで買い物をしようとする人を拒否してはならない。そこで加盟店は、カードの所持人に対してクレジットカードで代金決済をすることになりますが、本人でない場合は困ります。サインの照合が行われ、本人であることが確認できた場合は、めでたくキャッシュレスで買い物ができることになります。

つまりサインによって本人であることが確認され、カードが本物である限りは支払いも確認される、よってクレジットカードにはID機能があるとされるのです。その支払いを分割払いにするかリボルビングにするかは別の問題で、純粋に決済機能を考えるならば、クレジットカードは決済機能の固まりということができます。ところが、ここで挙げたクレジットカードの決済機能のいくつかの条件が、完全に崩壊した仕組みがあります。最近利用者が多くなってきた交通系の電子マネーはもちろんですが、ビザやマスターのマークが付いたデビットカードやプリベイドカードのことです。

これらの新しいシステムは、クレジットカードのように個人の信用力をあてにしていません。クレジットカードはお金の代わりになるもので、その「代わり」を個人の信用力に求めていたのですが、それを廃止してしまったのです。個人の信用ではなく先にお金を払い込むことによってお金を担保にしたプリペイドカードや、銀行の預金口座と連動させることにょって預金の範囲内での決済が可能なデビットカードのことです。これらはいずれもビザやマスターのマークが付いていて、世界中のそれらの加盟店で使うことができます。個人の信用力で利用できる金額は、クレジットカードは限度額までですが、それらは先に払い込んだ額や預金残高までとなります。